いずれ嫁さんになる担当看護師は有希(ゆき)さんと言いました。
彼女は看護系の学校で5年間学んで就職したばかりの二十歳でした。
彼女には祖父母と妹はいますがシンママでした。
その母も病院は違うのですが看護師でした。
私より17歳下で親子とまではいかないけどそれに近い年齢です。
妹も看護系の学校へ通っていて看護師一家です。
祖父母は70歳代で、これもまた親には少し若すぎます。
一方、私はと言えば60歳で定年退職し、年金受給の手続き中でした。
父がいればそんな事もないだろうけど、日頃から、祖父母もそんなに若くないし早く養子をもらって安心させてくれと言われていたとの事です。
彼女は暇を見つけては私に駆け寄り趣味の事とか、普段の生活の事とか聞いてきました。
脳梗塞とかは遺伝性の要素があって怖いけど、肺炎は一過性の事故みたいなもので、きちんとした生活すれば問題ないので私の世話を受けてみないかって悪女っぽく笑うのです。

